「サフランくん、いらっしゃいませ!」
「アウリ様、おはようございます」
サフランくんはテレビの精霊さんとの打ち合わせのため、毎朝、必ず来てくれる。
朝食はいつも、この食堂だ。
サフランくんは席につくと、メニューを眺める。
「今日は『焼きうどん』を頼むな」
「分かったわ。あと、私とアリスで考案した新作のメニュー、『たこ焼き』があるんだけど、こちらも試食してみない?」
私は水が入ったコップをテーブルに置くと、メニューの中にある新作のたこ焼きを示す。
「たこ焼き? タコを焼くのか?」
「小麦粉の生地にタコや薬味を入れて、球状に焼き上げた料理よ」
「じゃあ、それも頼むな」
未知の料理に、サフランくんは興味津々だ。
「……その、アウリ様。俺にチャンスをくれてありがとうな」
「私たちこそ、協力してくれて本当にありがとう」
目標ができて満足そうなサフランくんに、私はくすりと笑う。
魔道テレビとその際に必要な周辺機器に似せた魔道具の開発。
時間はかかりそうだけど、必要なものは精霊の力で出すことができる。
それにサフランくんは優秀な魔道具師だ。
テレビの精霊さんもいるし、何とかなるだろう。
「それで経過についてなんだけど、魔道具の開発の方は順調だ。ただ……」
途中で言葉を濁したサフランくんの様子が気になり、私は首をかしげる。
「どうかしたの?」
「いや、アウリ様たちもやっぱり、テレビに出るんだよな」
「……うん。危険かもしれないけれど、私たちも出てみたいの」
サフランくんの言葉に、ジルハルト殿下のことを思い出す。
ジルハルト殿下から妨害を受けているせいで、この食堂は潰れかけようとしている。
だが、テレビ番組が放送されれば、手のひらを返して、私たちを取り込もうとするかもしれない。
そのことを思って、言葉を切り上げたのだろう。
「ふぅ……」
天井を見上げた私が思うのはこれからのこと。
食堂に入るお客さんは、今は村の人たち限定だ。
でも、テレビ番組を放送したら、食堂に足を運んでみたいという人たちが出てくるかもしれない。
『ラトレ村の愛され食堂の料理は美味しくない』なんて噂は、きっと塗り潰せるだろう。
そう思っていると。
ガチャ。
新たな来客を告げる音が、食堂に鳴り響いた。
それと同時に、私たちは来店者たちの方へと振り返ると満面の笑みを浮かべて挨拶をする。
「「いらっしゃいませ!」」
挨拶を告げた後、私は来店者たちの顔を見つめた。
その美貌は、男女問わずに振り返ってしまうほど。
一人は、褐色の肌をしたエルフの女の子。
まるで夜を溶かしたような美しい黒髪が宙を舞い、その瞳は極上のルビーを連想させるほど赤い。
着ている服も、高級そうな光沢のある生地だ。
彼女は、二人の白い甲冑の騎士たちに守られていた。
「アウリ様、おはようございます」
サフランくんはテレビの精霊さんとの打ち合わせのため、毎朝、必ず来てくれる。
朝食はいつも、この食堂だ。
サフランくんは席につくと、メニューを眺める。
「今日は『焼きうどん』を頼むな」
「分かったわ。あと、私とアリスで考案した新作のメニュー、『たこ焼き』があるんだけど、こちらも試食してみない?」
私は水が入ったコップをテーブルに置くと、メニューの中にある新作のたこ焼きを示す。
「たこ焼き? タコを焼くのか?」
「小麦粉の生地にタコや薬味を入れて、球状に焼き上げた料理よ」
「じゃあ、それも頼むな」
未知の料理に、サフランくんは興味津々だ。
「……その、アウリ様。俺にチャンスをくれてありがとうな」
「私たちこそ、協力してくれて本当にありがとう」
目標ができて満足そうなサフランくんに、私はくすりと笑う。
魔道テレビとその際に必要な周辺機器に似せた魔道具の開発。
時間はかかりそうだけど、必要なものは精霊の力で出すことができる。
それにサフランくんは優秀な魔道具師だ。
テレビの精霊さんもいるし、何とかなるだろう。
「それで経過についてなんだけど、魔道具の開発の方は順調だ。ただ……」
途中で言葉を濁したサフランくんの様子が気になり、私は首をかしげる。
「どうかしたの?」
「いや、アウリ様たちもやっぱり、テレビに出るんだよな」
「……うん。危険かもしれないけれど、私たちも出てみたいの」
サフランくんの言葉に、ジルハルト殿下のことを思い出す。
ジルハルト殿下から妨害を受けているせいで、この食堂は潰れかけようとしている。
だが、テレビ番組が放送されれば、手のひらを返して、私たちを取り込もうとするかもしれない。
そのことを思って、言葉を切り上げたのだろう。
「ふぅ……」
天井を見上げた私が思うのはこれからのこと。
食堂に入るお客さんは、今は村の人たち限定だ。
でも、テレビ番組を放送したら、食堂に足を運んでみたいという人たちが出てくるかもしれない。
『ラトレ村の愛され食堂の料理は美味しくない』なんて噂は、きっと塗り潰せるだろう。
そう思っていると。
ガチャ。
新たな来客を告げる音が、食堂に鳴り響いた。
それと同時に、私たちは来店者たちの方へと振り返ると満面の笑みを浮かべて挨拶をする。
「「いらっしゃいませ!」」
挨拶を告げた後、私は来店者たちの顔を見つめた。
その美貌は、男女問わずに振り返ってしまうほど。
一人は、褐色の肌をしたエルフの女の子。
まるで夜を溶かしたような美しい黒髪が宙を舞い、その瞳は極上のルビーを連想させるほど赤い。
着ている服も、高級そうな光沢のある生地だ。
彼女は、二人の白い甲冑の騎士たちに守られていた。



