転生したら、女神様の凡ミスに遭いました

愛され食堂、新装オープンを掲げてから、一週間が経った。
食堂で販売するメニューをいろいろと考えているものの、なかなか決められずにいる。
精霊の力で出せるため、材料費はかからないけれど、ある程度、稼がなければ、今後が不安だ。
生活費や、将来的に食堂を維持していくための費用も必要になってくる。
テレビ番組の内容も問題だ。
番組を放送して、食堂を宣言することになるんだけど、各国それぞれ食文化が違う。
遠くても食べにいきたい、もしくはお持ち帰りができる料理とかがいいかもしれない。
それなら、日持ちする料理を考案する必要性がある。
魔王の私のこともあるし、これからどうなるんだろう。
あれこれ考えているうちに、だんだんと頭が重くなってきた。

「とにかく、最初が肝心よね。食堂のお手伝い、頑張らなくちゃ!」

私はそう意気込んで部屋を出ると、食堂の開店準備に向かう。

「おはようございます」
「おはよう、アウリ」

既にアリスたちはみんなで手分けして、スープや付け合わせの野菜などの下処理にかかっていた。

「テーブルを拭いてもらえる?」
「分かったわ」

私はまず、食堂内を綺麗に片付けた。
とは言うものの、精霊の力を使えば、すぐに終わるんだけどね。
それが終わった後は、厨房を手伝う。

「卵と肉が足りないみたいだから、至急、出してほしいの」
『かしこまりました』

冷蔵庫の精霊さんを呼べば、材料はすぐに調達できる。
材料がそろったら、次はミキサーの精霊さんの出番だ。
泡立てるのは大変だけど、ミキサーの精霊さんがいればあっという間だ。

「アウリ様は、次から次へととんでもない精霊様を呼び出すな」

アリスのお父さんは圧巻させられたように、それしか感想が出てこなかったらしい。
とはいえ、精霊さんたちに頼りすぎるのもよくないので、ほどほどに。
みんなで手分けすれば、開店準備は手際よく終わる。
そうこうしているうちに、開店時間が迫る。

「食堂も厨房もピカピカ。料理の仕込みも完璧。さあ、愛され食堂の開店よ!」

私は店の外に出て、看板を立てた。
ちなみに食堂の入り口には、『立体映像(ホログラム)のメニュー表』を設置している。
『本日の日替わり』を、アリスのお父さんが実演販売する映像を流し、食堂を通る人たちの足を強制的に止める狙いだ。