そして俺に衣装を貸した1年生も無事戻ってきてくれて衣装を返すことにした。
生徒会喫茶でなにか足りないことはないか確認していた時。
「唯人先輩」
宇佐美が話しかけてきた。
「うん?」
「生徒会喫茶、だいぶ落ち着いたみたいだし……今日は先輩もう休んでいいんじゃないですか?」
「そんなわけにはいかないだろ、現場監督だってしなきゃいけないし……」
「今、須藤に頼みましたよ」
「そしたら須藤が休憩に回ってくれたらいいだろ、後は俺が……」
すると少し沈黙した後、宇佐美は言った。
「一緒に回ってくれないんですか?」
「えっ」
「せっかく最後の文化祭なんですから、思い出作りましょうよ」
宇佐美は拗ねたように唇を尖らせる。
「思い出、か……」
そうだな。
この3年間、俺は一度も楽しまず仕事をしてきたからな……。
最後くらいお客さんとして楽しむのも大事なことかもしれない。
「……分かった。行こう」
俺たちは着替えて文化祭を回ることにした。


