生徒会長と秘密の契約


「唯人先輩がどれだけの思いで生徒会長を務めてきたか。どれだけ身を削って、この学校のために尽くしてきたか。なにも見てないあんたに、否定する資格なんてない」

「宇佐美……」

なんで彼はこんなに優しいんだろう。
こんなに俺のこと見てくれているんだろう。

いつも誰も自分を見ている人はいなかった。
父さんや、母さんでさえ俺のことを知らない。

それなのに宇佐美だけが俺をまっすぐに見てくれているんだ。

「くだらん」

父さんはそう吐き捨てるとそのまま去っていった。

泣きそうになったけれど、宇佐美の言葉でシャキッとしないとと思えた。

まだ文化祭は終わってない。

誰になにを言われようと、俺のすべきことは決まってる。

みんながより良い生活をおくれるように努めること。

俺と宇佐美は向き合う。

「うさ、み……ごめ」

謝ろうとした時。

「誰か!宇佐美くんと会長呼んできて!」

中から声が聞こえる。
話は遮られてしまった。

俺たちは急いで生徒会喫茶の中に入ることにした。

それから生徒会喫茶は考える暇もないくらい忙しかった。

「次、2番テーブルに接客ついて」
「了解です」

「その次、8番テーブルにドリンクを」

まさかここまで混むなんて想像以上だ。

途中飲み物が無くなりそうになってしまい、近くのスーパーに買い出しに何人かが向かったり、お客さん同士のトラブルが起きたりして大変だったけど、なんとか忙しい時間は乗り越えられたように思う。