みんなが楽しめる学校を作りたいと目標にして頑張ってきた。
今、そんな学校になっていたらいいな。
「無事、本番を迎えられて良かったですね」
宇佐美がしみじみ言う。
「そうだな……色々あったけど、こうやって形になってるの見るとやっぱり嬉しい」
「ですね」
宇佐美は柔らかく笑うと、白い手袋をかけたままその手を差し出した。
??
「手を」
意味が分からぬまま宇佐美の手の上に俺の手を置くと、その手を持ち上げてちゅっとキスを落とす。
「う、え……宇佐美!?」
「今日はよろしくお願いします。唯人様」
な、なんだ……これは!!
宇佐美にキスされた手をぱっと下げると、俺は必死に言う。
「そ、そんなことお客さんにやったらダメだからな!」
「もちろん。先輩だけですよ」
そういう意味じゃなくてだな……!
全く……。
こういう悪ノリ、宇佐美は参加してこないタイプなんだけどな。
宇佐美も浮かれてるのか?
「先輩、そろそろ時間じゃ無いですか?」
「ああ、そうだったな……。行ってくる」
もうすぐ文化祭スタートの時間だ。
生徒会長が文化祭開始の合図をかける決まりになっている。
俺は放送室に向かった。
長い間時間をかけて来たこと。
それを今日はみんなで目一杯楽しむ日。
挨拶と短いメッセージを伝え。
「文化祭スタートです」


