「唯人」
肩を落としていると、誰かが話しかけて来た。
振り返るとそこには執事の格好をした学がいる。
「うわあ~執事だ」
「ご注文はなにになさいますか?」
彼の執事を真似た声に笑ってしまう。
「なに笑ってんだよ、こっちは真剣なんだぞ」
「ふふっ、ごめんって。似合ってるよ」
すごいな、制服じゃないだけでがらっとイメージが変わる。
これは色んな人が来るんじゃないか?
「岩田さん、指名入ってますよ」
すると後からやって来たのは宇佐美だった。
彼もまた同じように執事の格好をしていて……。
うわ、すごいな。
着こなしてる。
この中の誰よりも似合っているな……。
これは女子が騒ぎそうだ。
「指名ってどこ?」
「あの3番テーブルです」
3番テーブルを見てみると、そこには生徒会の2年生男子メンバーが女装をして座っていた。
「あ~ん、岩田くんタイプ♡」
「早く来てぇ~~」
「だ、そうです。しっかり接客してきてください」
学はげっ、という顔をしつつも、きちんと3番テーブルに向かった。
みんな楽しんでいていいな。


