そう言って机に置かれていたファイルを宇佐美は手に取った。
「では」
そう言ってすぐに背中を向けてしまう。
……帰るのか。
まるで俺を避けてるみたいだ。
やっぱり手を振り払ったこと、怒っているのか……。
「帰るのか?」
「えっ」
俺のポツリとつぶやいた言葉に、宇佐美は驚いたように顔を上げる。
「あっ、いや……その」
なに言ってるんだ。
口に出すつもりはなかったのに、とっさに出てしまった。
慌てて口をつぐむと、宇佐美は静かに伝える。
「なにかやらなきゃいけないことがあったら、やりますけど……」
やらなきゃいけないこと……。
探してみるが、宇佐美も疲れているだろうし……。
「そ、それはない!大丈夫だ!」
とっさに俺が言うと、一瞬宇佐美が寂しそうな顔をした。
「……そうですか、じゃあ帰ります。お疲れ様でした」
パタンと虚しくドアが閉まる。
シーンと静まり返る部屋。


