放課後の生徒会室、鍵をかけたその先で。


「会長、そこ青で塗ってくれる?」
「ああ分かった」

ペンキで色を塗る。
クラスのみんなも俺のことを会長と呼ぶ。

生徒会の時は嬉しかったけど……。

『唯人さん』

名前を呼んでくれるのは宇佐美だけなんだよな……。

きっと俺の名前ってみんな知らないよな。
それでもいいと最初は思ってた。

生徒会長と認知されているみたいで、そっちの方が嬉しかった。

でも卒業したら、誰か俺の名前を覚えててくれるだろうか。

宇佐美くらいかな。
……って、俺宇佐美のことばっかりじゃないか。

今は作業に集中しないといけないのに!

「かーいちょ!どうしたの?ボーッとしちゃって」
「えっ!」

するとクラスのバスケ部の女子2人が俺の隣に来て話しかけて来た。

「もしかして会長、恋?」
「会長の恋バナ聞きたーい!」

恋……!?
そ、そんなわけないだろ!

俺はただ宇佐美のこと考えていただけで……。

「恋なんかじゃ……!」
「可愛い〜〜顔真っ赤だよ」

「図星なんだ」

俺が慌てて否定すれば、過剰になってしまい逆に変な意味で取られてしまった。

「おい、お前ら会長からかうなよ〜」
「だってめっちゃ可愛いんだもん」

目一杯否定しても、その後質問攻めされる始末。
つ、疲れた……。