「次はここですね」
その唇は首筋へと移動した。
喉仏のあたりを甘噛みされ、俺は思わず声を漏らす。
「んっ……」
「次、どこに来ると思います?」
耳元で囁く彼の声は、甘く、そして低い。
ゾクゾクと背筋に電流が走る。
「頼む、から……やめろ……っ」
「じゃあちゃんと言ってください」
必死に紡いだ言葉は無視され、ついに彼は俺の唇を塞いだ。
「んっ……ぅ」
深い口づけが、俺の思考を溶かしていく。
「う、さみ……っんん」
宇佐美の熱い吐息。
考える余裕すら奪われ、このままじゃ泥のように溶かされてしまう。
「言わなきゃこの先、進んじゃいますよ。口の次……どこにキスしましょうか?」
「……はぁ、っ」
ススッと指でなぞられたのは、俺が着ているシャツのボタンだった。
第二ボタンに指が掛かる。
――ゾク。
「分かりますね?」
「……だ、ダメだっ」
俺が必死に彼の手を押し返した、その時。
――コツ、コツ、コツ。
廊下の向こうから、足音が聞こえて来た。
その足音は、間違いなくこっちに向かっている。


