「な……?」
宇佐美の指が、俺の頬を愛おしそうになぞる。
まるで壊れ物を扱うように。
「なん、で……」
「俺は意地悪なんで、先輩が罰して欲しいと思ってる時はとことん甘やかしたいんです」
宇佐美は優しい声で告げる。
な、なんだそれ……。
「それに自分のこと、そんな風に卑下しないで」
彼は俺からぱっと手を放すと、優しい口調で言った。
「帰りましょうか」
優しく笑うその顔が、俺のことを想って言ってくれているんだって錯覚してしまう。
でも勘違いしてはいけない。
俺は一度彼を裏切っている。
今、宇佐美は俺に仕返しをしている。
命令という形で。
勘違いしてはいけない。
外を照らす夕日は眩しすぎて、俺にはちょっと霞んで見えた。


