放課後の生徒会室、鍵をかけたその先で。


「な……?」

宇佐美の指が、俺の頬を愛おしそうになぞる。
まるで壊れ物を扱うように。

「なん、で……」

「俺は意地悪なんで、先輩が罰して欲しいと思ってる時はとことん甘やかしたいんです」

宇佐美は優しい声で告げる。

な、なんだそれ……。

「それに自分のこと、そんな風に卑下しないで」

彼は俺からぱっと手を放すと、優しい口調で言った。

「帰りましょうか」

優しく笑うその顔が、俺のことを想って言ってくれているんだって錯覚してしまう。
でも勘違いしてはいけない。
俺は一度彼を裏切っている。

今、宇佐美は俺に仕返しをしている。
命令という形で。

勘違いしてはいけない。
外を照らす夕日は眩しすぎて、俺にはちょっと霞んで見えた。