「いくら男でも、あんなやつら相手に無茶しないでください」
「む、無茶なんかじゃない!」
そりゃあ宇佐美より筋肉もないし、力も無いがビクビク外で見てるなんて出来ない!
「心配なんです、先輩のことが」
耳元で優しく囁かれる。
そんなふうに心配されたことなんてなくて、カアッと顔に熱が集まっていく。
どうやって反応したらいいか分からず、俺は顔を逸らした。
「そ、そういうの……俺にはしなくていいから!女子にやってあげたら喜ぶんじゃないか?」
宇佐美は不機嫌そうに眉を寄せると、低い声で言った。
「他の誰かなんてどうでもいいです」
「え……」
「俺が心配しているのは先輩だけだ」
真っ直ぐな瞳が俺を射抜く。
そこには冗談やからかいの色なんて一つもない。
「そんなんじゃ、俺の心臓が何個あっても足りません。なにかあったら必ず俺に言ってください」
ドキン、ドキン、ドキン。 うるさい心臓。
なんで後輩相手に、それも男に……こんなにドキドキするのか分からない。


