宇佐美の声かけでみんながほっとしながら掃除に戻る。
すると俺に向かって小さな声で言った。
「唯人さん、ちょっと」
宇佐美は俺の手を掴んで強引に連れ出した。
「宇佐美、なんだよ急に!」
「いいからついてきて下さい」
こうして手を引かれるがまま、彼に連れてこられたのは保健室だった。
「失礼します」
保健の先生はいないみたいだ。
「どうして保健室に?」
「腕、見てください。手を掴まれた時の痕がついてます」
「あ、本当だ……」
俺が言うと彼は深くため息をついた。
「無茶しすぎです。俺がいなかったらどうするつもりだったんですか?」
「いなくてもどうにかしてた」
どうにかするしかない。
生徒会長の俺が黙ってみてるなんてありえないんだからな!
「こんな細い腕で?」
宇佐美は俺の腕に優しく触れる。
そして赤く痕がついてしまったところを、指の腹でそっとなぞった。
「……っ」
くすぐったい。
とっさに手を引っ込めると、宇佐美は諭すように言う。


