「え~x=3である理由は……」
1時間目の授業が始まりノートを取る。
もちろん生徒会が忙しいからって成績を落としていいわけじゃない。
文武両道であってこそ、人は俺についてくる。
そんなことを考えていた時、ふとグラウンドから湧いた歓声に視線を向けた。
窓の向こうにひときわ目立つ影があった。
宇佐美……。
彼は三人を一気に抜き去ると、流れるような動作で右足を振り抜いた。
遠目にも分かる鮮やかなシュートがゴールネットを揺らす。
すごい。
……本当になんでも出来るんだな。
本当の文武両道というのは、あいつのような奴を言うのかもしれない。
俺のように歯を食いしばって積み上げるのではなく、息をするように軽々とやり遂げてしまう。
そんなところが羨ましい……。
きっとマネすることはできない。
すると、不意に彼がこちらを見上げた。
視線が絡み合う。
あいつは俺を見つけるなり、パチっと片目を閉じてみせた。
「なっ……」
──ドキ。


