生徒会長と秘密の契約


なんだろう。
何かやらなきゃいけないことなんてあっただろうか。

宇佐美の後についていく。
ドアを開けて生徒会室に入ると、宇佐美は俺の机に束ねてある書類を手に取り言った。

「これ、没収します」
「えっ……」

それはまだ手をつけていない書類だ。
俺が今日片付けようと思っていたもの。

「先輩、家帰っても生徒会の仕事してるでしょ?」
「なんで……」

「昨日のメンバー表の記入、白紙だったのに今日の朝終わってた」
「う……それはやったが別にいいだろう?」

仕事が早く終わっている方がみんなも安心するはずだ。

「ダメです。今後、家で仕事をするのは禁止です」
「なっ、なんでだ!?」

「なんでも」

何だよ、それ……。
俺の仕事を取り上げるつもりか?

俺から仕事を奪って……生徒会長の座から引きずり降ろそうとしているのか?

絶対にそうだ。
俺の管理能力不足を指摘するためのそういう作戦だ!

そうはさせるもんか!
俺は宇佐美の手から強引に書類を奪い返そうと身を乗り出した。