すると、宇佐美が俺をじっと見つめる。
「な、なんだよ……」
狼狽えながらも、意識してない素振りを見せると彼はスッと手を伸ばした。
――ビクッ。
「……っ」
反射で目を瞑ってしまった俺。
「先輩、葉っぱついてますよ」
スッと手を伸ばすと、俺の髪から緑の葉っぱを摘み取った。
「あ、ありがとう……」
なんだ。 葉っぱがついていただけか。
「何かされるって期待しました?」
ニヤリと笑う宇佐美。
なんだか宇佐美の思う壺みたいで悔しい。
「今日は何もしないですよ。 あんまり意識されて避けられても仕事になりませんから」
「な……っ、意識なんてしてない!」
「どうだか」
俺の考えていることさえ見透かしてしまう。
意識していないとは言ったけれど、宇佐美のすることが気になってしまって、気付けば視線で追ってしまっている。
すると、宇佐美はスマホを開き時間を確認した。
「まだ授業始まるまで10分くらい時間ありますよね?ちょっと生徒会室に来てもらって話をしてもいいですか?」
「え、ああ……」


