三人いれば確かに十分ではあると思うけど、宇佐美は後から来たんだから別のところをやればいいだろう?
「ここは俺が掃除しようと思ってたんです」
なっ……なんて自己中なんだ。
学がわざわざ離れる必要なかったじゃないか。
じーっと見つめていると、宇佐美は淡々と言う。
「なにか?」
とりあえず文句が言いたいところだが、今はそんな暇はない。
掃除をするとしよう。
俺はその空気を断ち切るように、黙々と手を動かした。
そして30分後。
「集合してください」
授業が始まる15分前にみんなを集めて、この日は解散にした。
「みんな朝早くから集まってくれてありがとう。まだ美化週間は続く予定だ。今後ともご協力お願いします」
掃除の時間はあっという間だった。
30分掃除するだけでだいぶキレイになったな。
また明日、今度は場所を変えてやろう。
掃除が終わり、用具入れに箒をしまっていると、気付けばすぐ後ろには宇佐美がいた。
げ……。
また二人きりになってしまった。


