宇佐美は俺のことが嫌いなんだと。
だからこうして俺に罰を与えて楽しんでる。
そっか……。
俺、前から嫌われていたのか。
胸の奥がズキリと痛む。
それであんなことをして、さらに俺のことを嫌いになったのだろう。
自分がしたことに傷つく資格がないのは分かってる。
でも……。
『先輩』
『俺も手伝います』
やっぱりショックだな。
「も、もういいだろう。今日はもう帰る」
俺は目を逸らしながら言った。
逃げるように背を向け、歩き出そうとしたその時。
「……っ」
スッと手首を掴まれる。
「唯人さん」
こっちを強引に向かされ、振り返ると。
そこには、宇佐美の真剣な表情があった。
「先輩のその顔を見られるのは俺だけだ」
「……っ」
「先輩の弱みも、恥ずかしいところも全部。俺だけのモノですから」
俺は飲み込まれるような圧迫感に、ただ立ち尽くすことしか出来なかった──。


