宇佐美はきっと気が済むまで俺を解放しないだろう。
俺は覚悟を決めて、宇佐美の膝の上に座った。
「こ、これでいいだろう!」
この体勢、屈辱的すぎる……っ。
膝の先、出来るだけ彼に触れないように体重をかけないように腰掛けると、宇佐美は不満げに言った。
「もっとこっち」
グイッと引き寄せられて、後ろから包み込まれる。
すると、ふわりと宇佐美の匂いがした。
「な、なにして……」
宇佐美はなんでこんなことをするんだ?
こんなことしてなにが楽しい?
俺が嫌がっている姿を見て満足してるのか!?
宇佐美の考えていることが分からない。
「も、もういいだろ。放してくれ……っ」
それになんかドキドキする!
これはなんなんだ……。
背中に感じる胸板の厚みと、俺とは違う体温。
宇佐美の熱を全身に感じて、カァッと顔が熱くなる。
「耳、真っ赤」
「そ、んなところで喋るな……」
「先輩、耳……弱い?」
宇佐美の吐息が敏感な耳にかかる。


