生徒会長と秘密の契約


自分はなんてことをしてしまったんだろう。

自分の保身ばかりで、宇佐美がどうなるかなんて想像もしなかった。

力が抜けてペタンとその場に座り込む。
しかし彼はそれを許してくれなかった。

「なに座ってるんですか?先輩」

見下ろす冷たい視線。

「立って、上手な言い訳してみせてくださいよ」

グイッと腕を掴まれて無理やり立たされる。

「……っ、ごめ、なさい……」

俺が言葉に出来たのはたったそれだけだった。

怖い。
全部自分がしたことなのにすごく怖い。

宇佐美は俺の頬にスッと手を伸ばす。

俺は反射的にビクッと身を竦めてしまった。

「そんな怯えた顔しないでくださいよ。傷ついてるのは俺の方なんですから」

言葉とは裏腹に、頬を撫でるその親指の動きは優しくて……もうなにも考えられなかった。

すると、宇佐美はため息をついて静かに言った。

「そんなに生徒会長がやりたいなら譲りますよ」
「えっ……」

なにを言ってるんだ?