放課後の生徒会室、鍵をかけたその先で。


宇佐美は必死な顔で言った。

なんだよ。
そんなこと言うなよ……。

俺のことなのに、こんなに必死に言われたら……泣いてしまいそうになるじゃないか。

「なによ、あの子。唯人早く家に戻りなさい」

俺は母さんに手を引かれ、家の中に連れ戻される。

「ま、待って……」

まだ宇佐美と話すことがある。
このままじゃダメだ。

だって彼に伝えないといけない。

「唯人、あんな子と遊んでないで勉強をしなさい。頭がよくなくちゃいい選択もできないんだから」
「放してくれ……っ!」

俺は強くいい放つと、母さんの手を振り払った。

今やらなきゃいけないことはなんだ?
いい子になって勉強することじゃない。

俺の気持ちを伝える。
それがやらなきゃいけないことだ。

俺は家を飛び出し、宇佐美の背中めがけて走りだした。

行ってしまう、追いかけなくちゃ。

このままじゃダメだ。
俺は慌てて、彼の後を追った。

『唯人先輩は強くない』

彼だけが……本当の俺を見てくれた。
そしてそれを言葉にしてくれた。

すごく嬉しくて、泣きそうで、この気持ちを今、言葉にしないとダメだと思った。

「宇佐美……!」