宇佐美は笑って見せると、ポケットの中から何かを取り出した。
「これ……」
渡されたのはさっき行ったお店の小さな紙袋であった。
「唯人さん、これさっき欲しいな~って思いながら見てたでしょう?俺からのプレゼントです。開けてみてください」
宇佐美に言われるがまま開けてみると、そこに入っていたのは、さっき俺が見ていたキーケースが入っていた。
「どうして……」
「先輩がこれを見て寂しくならないといいなって思ったんです。俺との思いで出塗り替えようって」
ずっと鍵は冷たい象徴だった。
これを見ると、父さんも母さんもいないんだと実感させられる。
すると、宇佐美は「家の鍵、貸してください」と言って手のひらを広げた。
俺がポケットから鍵を取り出すと、宇佐美はそれを受け取り、上質な革のキーケースに俺の鍵を手際よくセットしていく。
「出来た」
宇佐美は鍵を収めたケースを、俺のスクールバッグの金具にカチャリと繋いだ。


