そして。
「…………」
しばらくそれを無表情で見つめた彼は、軽蔑するように俺を見た。
「へぇ、よく撮れてる」
酷く冷たい目で俺を見て笑う。
「これを流して、俺を陥れようとしたんですね」
「あ、あの……っ、違うんだ……」
怖い。
喉がひきつって声がうまく出せない。
「なにが違うんですか?」
宇佐美はその写真を持ったまま、ジリジリと俺に近づいてくる。
「う、さみ……」
怖くなって後ずさりしても、彼は止まってくれない。
「答えてくださいよ、唯人先輩」
どんどん俺を追い詰めて、しまいには俺の両脇に手をついて逃げ場を塞ぐ。
「……っ」
ついに逃げ場がなくなり、恐る恐る顔を上げると背筋が震えた。
「っ、はは……まさか俺とはね」
初めて見た彼の表情。
笑っているはずなのに、ひどく傷ついた顔をする宇佐美。
「う、宇佐美……」
名前を呼んだ瞬間、宇佐美は鋭い視線で言った。
「生徒会長ともあろう人が、デマを流して人を陥れようとしてるって知ったら、みんなどう思いますかね?」
「……っ」
サーッと血の気が引いていく。


