料理か……。
誰かと料理なんてしたことがなかった。
「いいな、そうしよう」
「はい」
それから俺たちは買い出しに行くことになり、近くのスーパーに行くとカレーの材料を買って家に戻ってきた。
「俺、自炊はあんまり出来なくて……」
俺がそう切り出すと宇佐美は言った。
「じゃあ一緒にやりましょ。俺が教えるので」
「分かった」
宇佐美は要領よく料理を始めるとテキパキと野菜を切り始めた。
すごい、料理もできるのか……。
「先輩、人参切れますか?」
「人参くらいならいけるよ」
俺は包丁を持つと、見よう見まねで切ろうとするが……。
「あれ?」
「ちょっ、危ないですよ。指ちゃんとしまって」
「ええ?」
「だからこう……」
後ろから宇佐美が持ち方を教えてくれる。
「ちょっ……」
「集中して」
俺は言われるがままにすることしか出来なかった。
「ふふっ、いつもと立場が逆ですね」
宇佐美、自炊まで出来るなんて……。
なんかすべて負けているような気分……。
「当分、先輩に料理させられないですね」


