宇佐美の顔がゆっくりと近づいてくる。
「えっ、え!?」
逃げようにも、腰を抱く腕に力を込められて動けない。
「我慢しなくていいんですか?」
言ってない……。
そんなこと言ってないだろ!!
「んっ!?」
すると突然、唇が塞がれた。
契約の時の、冷たくて罰のようなキスじゃない。
お風呂上がりの熱を帯びたとろけるように甘くて、深いキス。
「……っ、ふ……うさ、み……」
息継ぎのために少しだけ唇が離れると、銀色の糸が引く。
「お、お前……!」
「唯人さんが可愛すぎて、どうにかなりそう」
独占欲が滲む声が響いたと思ったら、宇佐美は自ら俺と距離をとった。
「これ以上はセーブできなさそうなのでやめておきます」
ぱっと手を広げて、自分は無害だみたいな顔してるけど……手出してるからな!!
反省しろよ!!
すると宇佐美はいつもの調子に戻って言った。
「先輩、今日……カレーでも作りませんか?」
「カレー?」
「はい。なんかせっかく人がいるのにお弁当買って食べるのももったいないでしょ?ちょっと料理でもして楽しみませんか?」


