放課後の生徒会室、鍵をかけたその先で。



湯加減とか聞くな俺!

ニッコリと笑うその表情も、湿気を帯びているせいかいつもより色っぽく見える。

──ドキン、ドキン、ドキン。

心臓の音がうるさい。
直視できない。

俺はたまらず視線を逸らして、後ずさりをした。

「なんで逃げるんですか」
「に、逃げてないっ」

「ウソだ」

宇佐美は楽しそうに目を細めると、逃げる俺との距離を一歩詰めた。

「顔、赤いですよ」
「……っ」

「もしかして意識しちゃった?」

パッと顔をあげると意地悪に笑う彼の顔がある。

「かわいいですね」
「ち、違うから!」

こうなったら宇佐美は止められない。
俺を追いつめて距離を詰めてくる。

「や、やめろって……」

——グラリ。

後ずさりする俺は思わずコードを踏んでしまい身体がよろけてしまった。

「おっと」

宇佐美が俺を包み込むように支える。

「あ、悪ぃ……」

身体を離そうとするけれど、腰に回された腕はビクともしない。