『唯人先輩がどれだけの思いで生徒会長を務めてきたか。どれだけ身を削って、この学校のために尽くしてきたか。なにも見てないあんたに、否定する資格なんてない』
あの時は嬉しかったな……。
そんなことを考えながら、俺は宇佐美の飲むお茶やお菓子を用意していた。
するとシャワーの音が止んだ。
静寂が戻ってくると途端に心臓が早鐘を打ち始める。
宇佐美、今脱衣所にいる?
俺は急に恥ずかしくなり、そわそわと行ったり来たり。
よくよく考えれば、俺と宇佐美って付き合ってるんだよな?
その……付き合ってる相手を家に入れてシャワー浴びて来いなんて、よくよく考えたらめっちゃ危ないことしてるんじゃないのか!?
やばい、意識したらさらにドキドキしてきた。
──ガチャリ。
扉が開く音が聞こえる。
(く、来る……)
付き合ってるとか関係ない。
だって、男同士なんだからこんなことは普通だ!
緊張するな……緊張するな!
「お借りしました」
湯気と共にリビングに入ってきた宇佐美を見て、俺は息を呑んだ。
濡れた髪。水滴が滴る首筋。
少しだけ赤らんだ肌。
いつもきっちりと着こなしている制服のシャツは第2ボタンまで開けられていて、そこから覗く鎖骨が妙に艶めかしい。
な、なんか……まずいぞ!これ!!
「あ……」
ふわりと俺がいつも使っているシャンプーの香りが、彼から漂ってくる。
それがなんだか妙にエロくて俺はカァっと顔が熱くなるのを感じた。
「……唯人先輩?」
宇佐美がタオルで髪を拭きながら近づいてくる。
「ど、どうだった?湯加減……」
「ちょうどよかったです。生き返りました」


