「だ、ダメだ!まだお試しなわけであって好きってことじゃ……」
「分かってますよ」
あっ、やばい……いいすぎた。
否定する必要はなかったよな。
そう思っていると、宇佐美は言う。
「でも今は俺の唯人さんですから」
そう言って宇佐美は俺と繋いでいる手にチュッと口づけた。
「な……っ」
う、宇佐美のやつ……!
こいつは慣れすぎている!!
けっきょく、宇佐美は俺の家の前まで送ってくれた。
「すまなかったな。宇佐美の家逆方向なのに家の前まで……」
「いえ、俺が一緒に居たかっただけですから」
俺の家に視線を向けると、電気が真っ暗だったのを見たのか宇佐美は言う。
「親御さんはまだいないんですか?」
「ああ、そうなんだ。うちの両親どっちも忙しくてな。帰って来ないことが多いんだ」
「夜も?」
「……そうだな。もう一人でいることになれたよ」
「そうですか……」
一般的にはみんな親がいるんだよな。
親と一緒に食事をして、今日あったことを話したり進路の相談をしたりしてるんだもんな……。


