しかも不正して尚、生徒会メンバーにはなれなかった。
プライドの高い彼はそのことを回りに絶対に知られたくないことだろう。
「……わ、分かった、もう関わらなければいいんだろう!」
「それだけじゃない。俺と先輩の会話も全部消せ」
宇佐美はスマホに残っている俺と宇佐美の録音を赤沢に消させると、もう二度と生徒会メンバーに関わらないようにと念を押した。
「持っているのはこれだけじゃないですからね?ご自身がしたこと覚えているでしょう?」
すると、赤沢は青ざめ「絶対にもう関わらない」と言って逃げるように教室を出ていった。
終わった……。
バタンとドアが閉まり、俺と宇佐美の二人きり。
「宇佐美……」
沈黙が流れる。
自分が赤沢の言われるがままだった不甲斐なさで俺は彼の顔を見ることが出来なかった。
「唯人先輩」
──ビクッ。
謝らなきゃ。
なにか言わなくちゃ。
「ご、ごめん」
俺はとっさに言った。
「怖くなかったですか?」
「こ、怖くは……ない、ありがとう、助かったよ」
本当は怖かった。
身体が小さく震えている。


