『キミがよくそんなことを言えるな。宇佐美を陥れようとした人間が』
そうだよな……。
俺だって赤沢を止める資格がない卑怯者だ。
「俺……っ、なにしてるんだろう」
翌日の朝──。
俺は赤沢に宇佐美を非常階段に呼び出せと命令された。
「いいか、確実にやれよ。見てるからな」
そして、非常階段の一番上に宇佐美はやってきた。
「話ってなんですか?」
宇佐美をここから突き落とせば、生徒会の評価も下がらずに、俺も副会長として生徒会メンバーにいられる。
前の俺だったら、やっていたんだろうか?
目の前が真っ暗になった時も助けてくれた、側にいてくれた人。
「生徒会のことでしたら、今はまだ唯人さんを戻すことはできませんよ」
「いや、そうじゃないんだ」
ああ、もう疲れた。
自分に疲れたよ……。
「ごめん。ごめんな、宇佐美……」
そう言って俺は彼に手を伸ばした。
未来が見えない。
真っ暗な中でもがいている。


