生徒会長と秘密の契約


こうして3日間。
考えに考えた結果、ある作戦が思いついた。

でもこれに手を染めた瞬間、俺の心は悪に染まる。
それでも……ここまでしないと勝てないと思った。

「どうしよう……本当に撮れてしまった」

スマホの画面には、宇佐美とひとりの女子生徒が抱き合っているように見える写真が映っている。
この写真は今さっき、俺が盗み撮りしたものだ。

見る人によっては、学校の死角でイチャついているように見えるけれど 本当は彼女がよろけたのを宇佐美が助けただけのシーンだ。

そしてもう1枚。
広報用の写真チェックをしていた時に 生徒会のカメラに写っていたデータにも、同じような構図のものがあった。

こっちは確か、向こうが強引に抱きついてきたとか言っていたはずだ。

この2枚の写真を匿名で広めれば……。
宇佐美が女癖が悪く、色んな人手を出しているように見えるだろう。

そしたら生徒たちからの不信感が募り、彼は票を得ることが出来なくなる。

信頼を失えば、生徒会長には上がって来られない。

ギュッと目をつむる。
俺らしくないやり方であることは重々承知だった。