「話があります。場所を移しましょう」
「あ、えっ……」
半ば強引に手を引かれ、空き教室に連れて行かれる。
緊張感が走る。
「う、宇佐美……」
「資料赤沢さんに任せてたっていうの本当ですか?」
真っ直ぐに俺を見る彼。
「ほ、本当だ!苦手だってこと言えなくて……迷惑かけてごめん」
俺は宇佐美の目を見ることなく答えた。
「ウソです」
「ウソじゃないって……」
「フォントの使い方、グラフの色分け……全部、先輩のクセそのままでしたよ」
宇佐美は確信を持って詰め寄ってくる。
やめてくれ。
それ以上、俺の中に入ってこないでくれ。
「へ、変なこと言うな!今回ばかりじゃない、赤沢には前からたくさん助けられていたんだ」
「そんなはずない。俺がどれだけあなたを見ていたと思ってるんですか」
「うさ、み……」
「先輩がそんなことする人じゃないってことくらい、俺が一番よく知って――」
「うるさい……っ!!」
俺は激情に任せて、宇佐美の手を強く振り払った。


