「じゃあ、先に多目的室に行っててくれないか?ちゃんと水あげはするから」
「それなら俺も……」
「いいから、いいから」
彼は嬉しそうに言うと俺を先に多目的室に行かせた。
帰りながらの相談ってわけでもないのか。
そうなると結構深刻な話しか……?
それからしばらくすると、水あげを終えた赤沢が戻ってきた。
「すまないな、ありがとう」
「いや、いいんだ」
そう言ってにこっと笑顔を作る彼。
「どうかしたのか?」
「ちょっとキミに聞きたいたいことがあってね……」
そう続けると、彼はわざとらしく落ち込んだ表情を見せた。
「残念だよ、キミがまさか生徒会選挙でズルをしていたなんて……」
「えっ」
「偶然ね、聞いてしまったんだよ。キミと宇佐美が話しているところを」
赤沢はスマホのレコーダーのスイッチを入れる。
すると俺と宇佐美の会話が流れ始めた。
『俺は……生徒会長になるはずだった宇佐美のポジションを奪ったんだぞ!?』
「……っ!?」
俺はその瞬間、頭が真っ白になった。
聞かれていた……あの時のことを。
声が出ない。
どうしよう。


