「ほら、遅れるぞ。早く行け」
「……はぁ。分かりましたよ」
宇佐美は深いため息を一つ吐くと、恨めしそうに俺を見た。
「あの……!明日は絶対に一緒に帰りますからね。予約しときます」
「予約って……」
「じゃあ、お疲れ様でした」
宇佐美はようやく生徒会室を出て行った。
静まり返った部屋に一人残され、俺はふっと笑う。
「……変なやつ」
調子が狂う。
でも、宇佐美と話してる時間を楽しいと思ってしまう自分がいるんだよな。
俺はひとりでカバンを持って教室を出た。
すると花壇に花が咲いていた。
そういえば……花に水をあげていなかったな。
じょうろを持って花壇に水をあげをする。
忙しいからって忘れてはいけないな。
そんなことを考えていると……。
「会長」
俺の肩をポンっと叩く人物がいた。
「あっ!」
振り返ると、そこにいたのは赤沢だった。
「赤沢、おはよう!」
赤沢は隣のクラスの男だ。
同じ時に生徒会長に立候補して、ライバルとして一緒に戦って来た人。


