人一倍正義感の強い先輩がこんなこと、成し遂げられると思ってたんだから笑ってしまう。
『そんな傷ついた顔、しないで下さい。俺の方が傷ついてるんですよ?』
きっと先輩はこのまま生徒会を降りるつもりだろう。
誰かが責めなければ、自分で自分を責めるような人だ。
だから……。
『そんなに生徒会長がやりたいなら譲りますよ』
『えっ……』
『その代り、あんたは今日から俺のものです』
俺は先輩に契約を持ちかけた。
そうすれば先輩は生徒会をやめなくて済む。
俺が先輩を罰することで、先輩にはここにいてもらう。
彼に選択肢はない。
『まずは俺にキスしてください』
不器用なキスで唇が触れた時。
『契約成立です』
悪魔の契約が交わされた。
でもそれが俺を苦しめることになる。
俺は唯人先輩にとっては憎まれ役だもんな……。
もしかしたらこれは俺への罰なのかもしれない。
窓から外を見つめる。
大きな桜の木が葉も付けず寂しそうに立っている。
桜が咲いていない季節。
彼はどう頑張っていたのだろう——。


