だからこそ、あの日。
俺だってなにも感じなかったわけじゃない。
『へぇ、よく撮れてる』
あの時――。
ノックをし忘れて中に入ったことは今でも失態だったなと思ってる。
生徒会室に入ろうとした時、すぐ入り口にある印刷機が、プリントを終えて出て来たもの。
それは俺と女の子が抱きついているように見える写真であった。
先輩の真っ青にした顔、最近イライラしていた様子から、彼がなにをしようとしていたかすぐに分かった。
ああ、そうか……。
先輩は俺を……。
『これを流して俺を落とそうとしたんですね』
『あ、あの……っ、違うんだ……』
ショックだったのは俺を陥れようとしたその行動じゃない。
俺のことを敵として見られていると思ったからだ。
唯人先輩に信頼して体を預けてもらえるような人になれたら。
そう思って今まで頑張ってきたのに。


