生徒会長と秘密の契約


「いくら校則の範囲内とはいえ、生徒会のメンバーがそんな風だと……」
「なにイライラしてるんですか?」

「っ、」

スッと懐に入り込んできた声。
俺の言葉に被せるように言ってくる。

「イライラって……」

「校則はきちんと守っていますよ。 範囲内なんだからオッケーでしょ? 先輩は少し頭が堅すぎるんですよ」

「……堅すぎるってなんだ!」

俺の苛立ちはすでにピークに達していた。

日頃のプレッシャーと焦燥。
それは感情をコントロール出来ないくらいに膨れ上がっていた。

「そうでしょ?ルールを守っているのにイチャモンを付けられたらみんな息が詰まりますよ」
「う、うるさい!」

俺は声を荒らげて彼に感情をぶつけると、そのまま逃げるように生徒会室を出ていった。

「はぁ……はぁっ」

完全に八つ当たりだ。
絶対にやってはいけないことだった。