放課後の生徒会室、鍵をかけたその先で。


1年で学校案内とか出来んのか?
なんて、ものすごくすぶっていた俺。
こう俺がナメた態度をとっていたのは、入る高校なんてどこでもいいと思っていたからだ。

高校なんてどこでも一緒。
どうせみんなと当たり障りなく学校生活を過ごして、違うフィールドに移動すれば連絡を取らなくなっていく。

『宇佐美くんが好きなの』
『宇佐美だけが頼りだわ』

そういう言葉は全部薄っぺらい。
毎日みんなが求める言葉を伝えて会話をしていかないといけないのが苦しかった。

見学者を複数人連れ添って、学校を案内してくれる副会長。
正直ダルい。
早く終わんねぇかなと思いながら聞いていると一通り、案内を終えた後、外にある大きな木を指さして副会長が言った。

『この木は桜の木だ。春になるとキレイな桜が咲く。それを見ると、今年もみんなを見守ってくれているみたいでほっとするんだ』

誰ももう飽きて聞いていなかった。
でも俺はその時の先輩の顔に思わず見とれてしまった。

ああ、ウソがない。真っ直ぐな瞳。
こんなにキレイな目を持っている人がいるんだ。

俺は器用だ。
自分をよくするために、ウソをつき笑顔を張り付けた人はすぐに見破ることが出来る。

そしてそんな人を何人も見てきた。