「俺は……」
真剣な表情。
その時、外からヒューっと音がする。
それは文化祭終了を告げる打ち上げ花火であった。
──バンッ。
打ちあがった花火はドン、という大きな音と共に花を咲かせる。
「うわぁ……」
キレイだ。
思わず見とれてしまった。
「あ、すまない宇佐美。今なんて……?」
俺が振り返ると、宇佐美は花火など見向きもせず、じっと俺のことを見つめていた。
「……いえ、大丈夫です」
でもなにか言いかけてたよな?
「でもこれだけは言わせてください」
真剣な声色。
逆光で表情は見えにくいが、その瞳だけが外の花火よりも強く輝いていた。
「俺はあなたを見ています」
「宇佐美……」
心臓がドクリと大きく跳ねた。
「だから……誰も自分を見てないんじゃないかって不安にならないでください。あなたのしてきたことも頑張ってきたことも全部俺は知ってる」
「……っ」
「それだけは忘れないで」
宇佐美のその言葉が、全てを優しく包み込んでくれた。


