「うん……美味い」
「それはよかった。みんなに伝えておきますよ」
「ああ、頼んだ」
静かで、ほっとするすごくいい時間だった。
「宇佐美。今日は誘ってくれてありがとう。仕事もたくさんあるし、遊ぶなんて考えてもなかったけど、最後の文化祭だったからいい思い出になった」
「俺も、今年はあなたと過ごせて良かった」
「今年は?」
「去年もずっと働いていたでしょう?声かけられなかったから……」
「声かけたかったのか?」
「そりゃ当然でしょ」
そっか、宇佐美は俺と回りたいって思ってくれてたのか……。
やっぱり宇佐美、変わってるな。
みんな俺とは距離を置いて話をすることが多い。
だから遊びに誘われることだってなかったし、プライベートの付き合いも当然ない。
でもみんなが誘ってくれるようになったのは、きっと宇佐美が俺を輪の中に入れてくれたからだ。
「なぁ、宇佐美」
俺は立ち上がって言った。
「さっきのやつ、悪かったな……。父さんがひどいことを言った」


