静心ふたつ、茶の道ひとつ

ランクイン履歴

青春・恋愛24位(2025/12/20)

青春9位(2025/12/20)

青春・恋愛

静心ふたつ、茶の道ひとつ
作品番号
1767715
最終更新
2025/12/19
総文字数
31,865
ページ数
16ページ
ステータス
完結
いいね数
5
ランクイン履歴

青春・恋愛24位(2025/12/20)

青春9位(2025/12/20)

第63回キャラクター短編小説コンテスト「青春ボーイズライフ」応募作品です。

タイトルの読み方は、“しづごころふたつ、ちゃのみちひとつ”です。
あらすじ
高校一年生の和泉宗貴は、静かで穏やかな毎日を送ることを目標にしている。
寺の息子らしく“静かな心”を壊さないように守ってきた。
そんな宗貴の前に、クラス一の人気者である男子、香月蒼が姿を現す。
「茶道部! 俺と一緒に入らない?」
“茶の道”を通して、二人は徐々に友情を深めていく二人。
だが、蒼には誰にも言えない心の傷があって……。

女子だらけの部活動、たった二人の男子部員である二人の出発の物語。

この作品のレビュー

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この作品の感想ノート

書き出しが非常に儚くて、一気に物語の世界に引き込まれました。クラス一の人気者ポジションといえば、野球やサッカーなどの人気スポーツの運動部に所属していることが多いでしょうが、蒼くんが茶道部に入部したがっているという展開が新鮮でした。そんな破天荒な彼が、人生を諦めているようにもみえなくもない宗貴くんを強引に誘ったのが可愛らしかったです。消極的な人って、こうやって強引に誘ってくれる人に救われることもありますもんね。

宗貴くんは口数が少ないぶん、周りをよく見ていますね。主人公の一人称視点だからというメタ的な視点を抜きにしても、周りの人達の言動をよく観察していると思います。宗貴くんと蒼くんの、まさに静と動がうまく混ざり合って物語が展開していく、そのバランスが良かったです。

『友達のことを下の名前で呼ぶのはいつぶりだろう』とあるとおり、茶道部員としての生活をすすめていく中で、宗貴くんが蒼くんのことを自然と友達だと思えていることになんだか私まで嬉しくなりました。友達になれるきっかけなんて、なんでもいい。互いが互いを思っていれば、どんなことでも乗り越えられる気がする。そんなようなことを体現したかのようなラストに、胸が熱くなりました。スポーツなどで周りの大勢を巻き込んで青春を駆け抜けるのも、宗貴くんと蒼くんのように静かな日常の中に熱い心を抱いているのも、どちらも素晴らしい『青春ボーイズライフ』だと思います。素敵な作品をありがとうございました。

2025/12/18 21:37

感想失礼いたします!

まず「窓際の一番後ろの席に座っているというのに、中庭であれだけ大胆に咲き乱れた桜の花びらがいつのまにか散ってしまったことにすら気づかなかった。」という一文目から惹かれました。情景描写が宗貴の息をひそめるような生き方をよく表していて、物語の雰囲気を創り出しているようです。
蒼の明るい表層の裏に隠されている経験は、どうしようもなく辛いもので、宗貴目線で読んでいる私はいつの間にかうるうるでした……。
でも、最後はやっぱり希望の光が見える、どこかほっとさせられるような温かい着地で。葉方さんらしさを感じました!

素敵な作品をありがとうございました!!

泉紫織さん
2025/12/14 18:23

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