「みみみ、巫寿ちゃん。そろそろ時間……!」
「はわわわ邪魔してごめんなさい!」
側役の二人が顔を真っ赤にしながら恐る恐る声をかけてきた。頷くことで精一杯だった。
歩き出そうとした時、右手をぎゅっと握られる。恵衣くんの左手が繋がっていた。
「これくらいは神様も許すだろ」
そう言って私の手を引いて歩き出す。
もう何が何だかでとにかく転ばないように足を動かすしか無かった。
「ずるいぞ恵衣だけ! 俺も!」
「あっ、じゃあ僕も!」
「俺も俺も」
俯いて丸めていた背中の真ん中を、力強くパン!と叩かれた。その衝撃にハッと目が覚めるような感覚がした。
次から次へと私の背中が叩かれる。叩かれる度に、一歩また一歩と足が前に出た。でもそれは、押し出されると言うよりもみんなに支えられて進んでいる様な感覚だった。
手を繋いだまま振り返った。
一人一人目を合わせる。みんなの想いが、熱が、私に流れ込んでくる。
私はこの先も、ひとりじゃない。
滲む涙を拭って頭上で大きく手を振った。
「行ってきます……!」
何も怖くない。
守りたい人がいて、守ってくれる人がいる。支えたい人がいて、支えてくれる人がいる。愛している人がいて、そして。
愛してくれる人がいるから。



