────オレ、キノウズイショウサンニコクッタンダヨネ。
俺、昨日瑞祥さんに……瑞祥さんに……。
瑞祥さんに告ったぁ!?
思わず叫びそうになって慌てて口を抑えた。指の間からふんすふんすと荒い鼻息が漏れて、嘉正くんはまたからからと笑う。
「え、ちょ、ちょっと待って嘉正くん」
「続きが聞きたいなら無事に帰ってきてね」
「だめだめお願い、今聞きたい……っ! こんなんじゃむしろ集中できないよ!」
「ははっ」
それ以上は絶対に喋らないと決めていたのか笑って受け流す嘉正くんに、私は胸のドキドキが収まらない。
こっそり瑞祥さんを盗み見る。いつもと変わらない顔で鶴吉さんと喋っていた。
お願い嘉正くん、せめて「いつからか」だけでもいいから教えて……!
私の必死のお願いも届かず、爆弾発言だけを残した嘉正くんはくるりと振り返って「おーい」と声をあげる。
「折角だから何か話したら? 恵衣」
その名前が上がって今度は別の意味で心臓が跳ねる。
後ろの方で神職さまと話していた恵衣くんがちらりとこちらに目を向けた。空中で視線が絡み合い、時間を忘れたかのようにほんの一瞬息がとまる。
「そうだよ恵衣! 仲間を送り出す激励の言祝ぎ、かけてやりなよ」
「今日は"馬鹿なのかお前"は禁止だからな〜。言祝ぎだけだぞ!」
二人が恵衣くんの背中を押して私の前まで連れてきた。いつも通り無表情で冷静な目が私を見下ろす。



