終わって目を開けた恵理ちゃんは「えへへ」と照れくさそうに頬をかいた。
『本職の人の前で披露するのは恥ずかしいけど……自分なりに調べて作ってみたの』
簡単な言葉を羅列した形で、正式な祝詞とは呼べない。けれど間違いなく、恵理ちゃんの強い気持ちがその言葉には宿っていた。
その祝詞は言霊にはならなかったけれど、お腹のそこが熱くなって疲れた体にみるみる力が宿ってくる。
『大好きだよ! 巫寿! 帰ってきたら、お菓子食べながら夜通しい〜っぱいお喋りしよう!』
頬を赤らめてぶんぶんと手を振る恵理ちゃんを最後に動画が止まった。
胸がいっぱいで言葉が出てこない。
「元気出たか?」
泰紀くんに尋ねられて何度も何度も頷いた。
「ありがとう、泰紀くん。動画も嬉しいけど、恵理ちゃんに頼んでくれた泰紀くんの気持ちが嬉しい」
スマホを差し出すと、赤くなった頬を隠すように顔を背けて恥ずかしそうに後頭部をかく。
「……うちのばあちゃんみたいなこと言うなよ」
「ばあちゃんって」
「とにかく、行けそうか?」
そう聞かれたものの、泰紀くんの瞳には何の心配も映っていなかった。その信頼もまた、私を奮い立たせる。
「行ってくるね」
「おう」
泰紀くんは拳をぶつけようと胸の前に差し出して「あー……」と残念そうに引っ込めた。自分のための神事で清めた体とはいえ、今はこの体が恨めしい。
「じゃあ次俺が話していい?」



