なんて心強い言葉なんだろう。禄輪さんが後ろから見守ってくれているだけで、私は安心して立ち向かうことができる気がする。
「なぁ! そろそろ俺たちにも時間くれよ!」
「そうですよ! 大人達ばっかりずるい!」
「俺らが一番話したいことがあるのに」
禄輪さんの背中からひょっこり顔を出した三人に思わず顔が綻ぶ。
悪い悪い、と恥ずかしそうに顔を隠しながら背を向けた禄輪さん。三歩歩いてから立ち止まり、少し振り返って私に微笑み頷くと薫先生の元へ歩いていった。
改めてみんなに向き直った。
「やっと僕らの番が回ってきたよ」
やれやれと息を吐いて肩を竦めた来光くんにくすりと笑う。
「こういう時は思いっきり背中を叩いて鼓舞してあげたいんだけど、側役の二人が絶対に触るなってうるさいから」
「あはは、ごめんね。私は別にいいと思うんだけど、そういう決まりだから」
「だから代わりに、僕からはこれを送ろうかな」
背中に隠していた赤い房飾りのついた小さな桐箱を私の前に差し出した。両手で受け取ると予想以上に軽く、中のものがかさりと揺れる。
「お守りだよ。発案者は恵衣で、作ったのは僕」
来光くんが作ったお守り? お守りにしては大きくない……?
「ありがとう、凄く嬉しい。お守りってことは、開けない方がいいってことだよね?」
「そうだね。用意できた箱が小さくてギッチギチに詰め込んじゃったから、開けたら片付けるのが大変かも」
片付けるのが大変なお守り……?
来光くんは一体私に何を用意してくれたんだろう。
でもお守りと呼んでいるからには悪いものでは無いはずだ。



