「なんなんだよお前らは……!」
たまらず声を荒らげて睨むと、その数倍の勢いで凄まれて怒鳴られた。う、と言葉を詰まらせる。
「恵衣さんこそなんなんですか……! つべこべ言わずに会いに行けばいいんですよ〜ッ」
「そうですよ! 会いたくない理由があるんですか!? 今日ビジュ悪いから無理ぃ〜とか言ったらはっ倒しますよッ!」
あまりの勢いに身を仰け反らせた。とにかく落ち着け、と両手で仰ぐと二人は鼻息を荒くしながらも口を閉じる。
「落ち着いて話せ。規則を破ってまでして巫寿のところへ俺を連れていこうとする理由はなんだ」
「それは巫寿ちゃんが恵衣さんを────」
その瞬間、目にも止まらぬ早さで玉珠の口を塞いだ盛福は、血走った目で「それ以上はダメ」と低い声で唸る。
は、と息を飲んだ玉珠が自分の口を塞いで赤べこのように首を振る。
「で、でもね盛福ちゃん。ちゃんと説明しないと、この朴念仁は絶対に動いてくれないよ……!」
「いくら恵衣さんが朴念仁でも、そこまで踏み込むのはダメ。鬼市さんも言ってたでしょ!」
鬼市、という名前に恵衣のこめかみがピクリと動いた。
「あの鬼に会ったのか? まさかあいつにも俺と同じような事を言ったのか? あいつは巫寿に会いに行ったのか?」
「言ってませんよ! 私たちが探してたのは恵衣さんなんですから! てかそんなに焦るくらい先越されたくないなら今行けばいいじゃないですか!」
焦ってなんか、と反論しようとするとまた二人に睨まれて口を閉じた。



