「二人とも巫寿ちゃんの側役じゃなかったっけ? こんなところで何してるの?」
嘉正が首を傾げた。どうしても眼帯に目がいって二人の表情が曇る。
嘉正たちがどんな目に遭ったのか、どれほど激しい戦いがあったのか大人たちは教えてくれないけれど、亡骸を安置している道場から泣き腫らした顔で出入りする神職たちを見ていれば聞かなくとも分かった。
嘉正は「ごめんね、見苦しいよね」と苦笑いを浮かべた。勢いよく首を振って「そんなことないです!」と伝えれば、安心したように表情を和らげる。
「で、お前らは何してるんだよ? ここで油売ってていいのか?」
「油って! 私たち特命の真っ最中なんですよ! おふたりに用があって探してたんです!」
俺たちに用?とふたりが目を瞬かせた。えっと、と盛福が頬をかいて言葉を探す。
この二人も来光のようにとんでもないニブチンかもしれないから、回りくどい言い方をしたら伝わらないかもしれない。でも鬼市の言う通り、好きな人を他人から聞き出すのは間違ってるし、一体どうすれば……。
うーんうーんと首を捻っていると、痺れを切らしたように玉珠が身を乗り出し、きらりと目を光らせる。
「───その人は、いつの間にか私の心に入り込んできた。気が付けば目で追ってしまい、ふとした瞬間に思い浮かべてしまい、名前を呼ばれるだけで嬉しくなって、つねに胸をそっと占めていた。その人は心が向かう先だった」
「……っていう人を探してます! 巫寿ちゃんの!」
ナイス玉珠と肩を叩く。
玉珠の同人活動がこんなところで役に立つなんて!
「好きな人」とは直接言わずに、ここまで言い換えられるなんてなかなかの才能だ。
玉珠は得意げにふふんと鼻を鳴らして頬を赤らめた。



