「もういいです。来光さんって高校生のくせに、まだそんな感じなんですね」
「ガッカリです……せっかくここまで来たのに……」
「なんか僕すっごいディスられてない!?」
来光の反論をさらりと無視して大きな溜息を吐いた二人。ホントになんなんだよ、と額を抑えた。
「戻ってもらって大丈夫です。時間がありませんもんね。よく分かりませんが、その作戦とやら頑張ってください」
「失礼します」
軽やかにお辞儀をした二人はパタパタと走っていく。二人の背中が小さくなっていくのを見届けてから、首の後ろをかいた。
時間がない、その通りだ。僕らにはもうあと本の数日しか残されていない。どうなるかなんて誰にも分からない。それくらい不安定で、不確実な戦になる。
神職たちに視線を戻す。五人がかりで筆おきに払日揮毫筆を戻しているところだった。
「すみません、少し外していいですか。30分くらいで戻ります」
「ふぅ……構わんよ。私達も少し休みたい」
脂汗を滲ませた神職に勢いよく頭を下げて、廊下を駆け出した。



