言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


やがて夜が明けると、怒涛の勢いで神事が始まった。

説明する暇がないということで、とにかく右へ左へ移動させられ、お神酒を飲まされ舞を舞わされ、目まぐるしく動き回ってやっとの事で休憩を貰えたのは太陽がてっぺんから少し傾いた頃だった。

与えられた休憩室は本庁の特別応接室だった。

一時間後に迎えに来ます、と本庁の役人が帰っていくのを見送って、そのまま側役の二人と共に畳の上に倒れ込んだ。


「あー、無理。しんどすぎる。ごめん巫寿ちゃん、側役辞めていい?」

「そんな簡単に辞めないでよ」

「せめて盛福ちゃんと交代制でやってもいいですか……?」

「ずっとそばに居てくれるんでしょ?」


私よりも先に根をあげて早速あの感動の約束を反故にしようとする後輩ふたりに苦笑いを零した。

お弁当あるよ、と先程に声をかけるも「うーん」と生半可な返事が帰ってくる。


明け方頃から一睡もせず私と一緒に神事に参加してくれたんだから無理もない。


「一時間あるらしいから、少し寝てていいよ。私も仮眠取りたいし」


うーん、とまた曖昧な返事が帰ってきたかと思うと、玉珠ちゃんがガバッと勢いよく飛び起きた。あまりの勢いに驚いていると「盛福ちゃん! 起きて!」と相方の背中をバシバシ叩き始める。

「うああっ! 一瞬落ちてた!」と飛び起きた盛福ちゃんは口元の涎を拭って目をしょぼしょぼさせながら立ち上がった。