言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


「どうしたの二人とも!」


息を弾ませる二人の背中を撫でながら慌ててそう尋ねる。ゼイゼイと苦しそうに息を吐き、二人が涙でいっぱいになった目で私を見上げた。


「どうしたもこうしたもないよ! 聖仁さんが亡くなったあと急に行方不明になって、帰ったきたかと思ったら審神者代になるなんて!」

「心配したんですからねっ……どうして何も相談してくれなかったんですか!」


ひしとしがみついてくる二人に困惑しながらも、それだけ案じていてくれた事が嬉しかった。ごめんね、ありがとう、そう言って二人の頭に頬を寄せた。


「でも、本当にどうしてここに? 学生は自宅待機って聞いたけど」

「私たち両親が本庁の人だから、家に帰っても誰もいなくて。そういう学生は学校に来ていいことになってるんだ」

「それで、巫寿さんが帰ってきてて審神者代になるための神事が行われるって聞いて、いても立ってもいられなくなって立候補したんです!」


立候補?と聞き返すと二人は顔を見合せて満面の笑みを浮かべた。


「審神者代の側役だよ!」

「社に入るまで、審神者代のお手伝いをする役なんです。全部の神事が終わるまで、ずっとそばに居ます」


うそ、本当に?と思わず聞き返す。二人は赤い鼻をすんとすすってはにかむと、大きく頷いて私の手を握った。


「巫寿ちゃんなら絶対に大丈夫だよ」

「無事奏上して帰ってこられるように、私たちが守ります」


温かい。二人の気持ちが冷えきった体に流れ込んできて優しく包み込んでくれる。