「ひとつだけ、条件をつけていいか」
禄輪さんが私の肩を掴んだ。真剣な目で見つめられ、大きくひとつ頷く。
「奏上するかしないかは巫寿の判断ではなく、私たちに決めさせて欲しい」
「というと……?」
「これから巫寿には色んな神事に出席して、万全の状態を整えてもらう。それらが全て終わった時に、巫寿が奏上しても問題ないかを私たちが判断する、ということだ」
なるほど。つまりこれから私が天地一切清浄祓の効果に耐えられるかどうかを、私ではなく禄輪さんたちに見極めてもらうということか。
私よりも知識も経験もある神職だ。異論は無い。
「お願いします」
真っ直ぐとその目を見つめ返してから頭を下げた。トントン、と分厚い手の平が私の肩を叩く。
「未来を生きるために、戦ってくれ」



