言祝ぎの子 結 ー国立神役修詞高等学校ー


「ひとつだけ、条件をつけていいか」


禄輪さんが私の肩を掴んだ。真剣な目で見つめられ、大きくひとつ頷く。


「奏上するかしないかは巫寿の判断ではなく、私たちに決めさせて欲しい」

「というと……?」

「これから巫寿には色んな神事に出席して、万全の状態を整えてもらう。それらが全て終わった時に、巫寿が奏上しても問題ないかを私たちが判断する、ということだ」


なるほど。つまりこれから私が天地一切清浄祓(てんちいっさいしょうじょうはらい)の効果に耐えられるかどうかを、私ではなく禄輪さんたちに見極めてもらうということか。

私よりも知識も経験もある神職だ。異論は無い。


「お願いします」


真っ直ぐとその目を見つめ返してから頭を下げた。トントン、と分厚い手の平が私の肩を叩く。




「未来を生きるために、戦ってくれ」